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第13号 立冬の頃(2014/11/23)

 日増しに寒くなってきました。こちら石巻では天気のいい朝は冷え込んで薄氷も張るようになり、ハクチョウが飛来し近くの河川ではゆったりとくつろぐ姿も見られるようになりました。もうすぐ雪の便りもお届けできるでしょう。

 

(追波川河川公園)

 なんと、前回UPした日を確認しましたら実に3ヶ月ぶりの投稿となりました。そろそろと思っていましたが、延び延びになりました。晩酌する時間はあるのですが…。


 石巻市では災害復興住宅の建設が急ピッチで行われるようになりました。抽選会が行われていますが、幾度も抽選もれしている人も多く、長引く避難生活の中、被災者は早期の完成を祈るようにして待ち望んでいるところです。
 
 1ヶ月以上前の話になりますが、石巻市包括支援センター所長さんであります 長 純一先生から講和を聞く機会がありました。

 

(造成が進む二子地区)

 長先生は、私立病院仮設診療所長さんとしてご活躍されています。神戸でも地域包括ケアを担当されました。
先生からは公営住宅へ引っ越しした方のアンケート調査から、現状や今後の支援対策、課題などを聞くことができました。

 306名の回答者から寄せられたものです。仮設住宅から真新しい復興住宅に引っ越して新たな生活が始まり、本来は最高に幸せな環境を手にしているはずなのですが、実際はそうでもない方もいるようです。

 復興住宅は仮設住宅に比べプライバシーが守られている反面、寂しさから孤立する人がいるとのことです。
長屋風で隣の声が聞こえてくる仮設住宅ではありますが、常に何らかの行事が行われ、支援団体からのサポートもあり、集会所へ行けばいつでも誰かとお話ができていたものが、引っ越した後は「眠れない」「体を動かさない」「行事への不参加」「隣と話す機会がない」などといって閉じこもりがちになってしまう方がいるようです。

 神戸の都市型災害と、私たちの地域での災害をコミュニティ形成の側面からもお話をいただきました。
沿岸部地域で生活していた私たちのほとんどは生まれながらにその地域のコミュニティにどっぷりとつかっていて何の違和感もなく長年生活していました。そのコミュニティが一瞬のうちに崩壊し、新たな地域での生活を余儀なくされた方も多いのです。
そして又、復興住宅に移ってからも一からコミュニティづくりが必要になります。
つまり被災者の多くは初めて引っ越しする方が多く、このような取り組みには慣れていないのです。都市住民の多くは地域から移り住み、又は引っ越しを重ねコミュニティへの取り組みも慣れている方も多いとのことです。なるほどと思いました。復興住宅へ移っても慣れない地域での生活からくるストレスが孤立を生み、さらには「うつ状態」までも引き起こすこととなるのでしょうか。

 メンタルケアに対する認識も必要とのことです。「眠れない人の2割」「食欲不振の8割」が実はうつ状態にあるようです。精神科にかかると社会的に不利になると思って病院へ行かない人が多いそうです。診療相談で元気のない人は、うつ状態の人が多く、初期で軽度のうつは運動やお茶っこで回復しますが、深刻な状態はやはりきちんとした医療が必要となってくるようです。


 仮設住宅への支援活動は、被災直後は物資を中心としたものですが、時間とともにその需要が変化していきます。

今、チームかながわSUNの皆さんが大森団地で活動している内容は、仮設住民との心の交流であります。まさに今、本当に必要としているものかもしれません。写真を見ればそれはすぐわかります。交流している住民の皆さんの笑顔がそれを物語っています。

 

(大森の夕暮れ)

 今後は復興の促進とともに公営住宅へ移り住む人が多くなってきます。仮設住宅での支援活動とはまた別な対策が必要とされ、行政や社会福祉協議会、見回り隊、医療機関などを含めた包括的な対策が求められることでしょう。また、仮設住宅でご活躍された役員さんはその地域の人的な財産ともなるでしょう。新たな地でもこの方々のご活躍を大いに期待したいところです。
 
もうすぐ師走です。ご健康にご留意されご活躍されますように。最後までお読みいただきありがとうございました。


(2014/11/23 玉 通信員)